REPORT · 07 · データ分析

少女・女性7誌の恋愛依存度データ分析
20212026年)

直近5年間、少女・女性7誌で開始された新連載のうち恋愛ジャンルの比率は54.3%。しかし7誌を一括りにすると実態を見誤る。恋愛比率が7割を超える雑誌もあれば、過半数が非恋愛の雑誌もあり、投稿先によって求められるジャンルは大きく異なります。

要点

  • • 7誌合計で恋愛比率は54.3%200/368作品)
  • • 恋愛比率が最も高いのはりぼん68.6%)、最も低いのはちゃお41.5%)
  • • 少女4誌の恋愛比率は54.8%、女性3誌は53.6%— ターゲット層で構成が分かれる
  • • 12ヶ月壁突破率は恋愛42.5% vs 非恋愛34.5% — 恋愛作品のほうがやや生き残りやすい

1. 恋愛比率ランキング

各誌の新連載に占める恋愛ジャンル(恋愛・ラブコメ)の比率を降順で並べます。「少女・女性誌=恋愛」という印象がどこまで正しいか、数字で確認しましょう。

恋愛ジャンル比率(20212026年の新連載)
りぼん恋愛 35作品 / 全51作品(68.6%
LaLa恋愛 24作品 / 全35作品(68.6%
Kiss恋愛 29作品 / 全50作品(58%
花とゆめ恋愛 32作品 / 全60作品(53.3%
Cocohana恋愛 21作品 / 全41作品(51.2%
BE・LOVE恋愛 25作品 / 全49作品(51%
ちゃお恋愛 34作品 / 全82作品(41.5%
0%50%100%

りぼん68.6%と突出しており、新連載の大半が恋愛系です。一方ちゃお41.5%にとどまり、同じ少女・女性誌カテゴリでも27.1ポイントもの差があります。「少女・女性誌だから恋愛を描かなければならない」という前提は、雑誌選びを間違えると当てはまりません。

2. 少女誌 vs 女性誌の構造差

少女4誌(りぼん・ちゃお・花とゆめ・LaLa)と女性3誌(Kiss・BE・LOVE・ココハナ)に分けて恋愛比率を比較します。ターゲット読者層の違いがジャンル構成にどう影響しているかを見てみましょう。

恋愛比率:少女誌 vs 女性誌
少女4誌(りぼん・ちゃお・花とゆめ・LaLa)54.8% (125/228作品)
女性3誌(Kiss・BE・LOVE・ココハナ)53.6% (75/140作品)
0%50%100%

少女誌は54.8%と恋愛比率が高く、 女性誌は53.6%とやや低い水準です。少女誌は10代読者の「恋愛への関心の高さ」がダイレクトに誌面構成に反映されている一方、女性誌は読者層が20代以降に広がるため、仕事・家庭・人間関係といった恋愛以外のライフテーマを扱う作品が一定の枠を占めています。

ただし少女誌でも花とゆめ・LaLaはファンタジーやアクション要素を含む作品が多く、「少女誌=純粋な恋愛もの」という単純な図式にはなりません。投稿先を選ぶ際は、カテゴリではなく個別の雑誌ごとにジャンル構成を確認することが重要です。

3. 恋愛以外で何を描いているか

恋愛以外のジャンルとして各誌で多いものを見てみましょう。「恋愛を描かないなら何を描けばいいのか」の手がかりになります。

少女誌

りぼん

非恋愛 16作品 / 全51作品
日常系6コメディ6ファンタジー5

ちゃお

非恋愛 48作品 / 全82作品
コメディ21日常系18ファンタジー14

花とゆめ

非恋愛 28作品 / 全60作品
ファンタジー12ヒューマンドラマ11コメディ7

LaLa

非恋愛 11作品 / 全35作品
ファンタジー5日常系4コメディ4
女性誌

Kiss

非恋愛 21作品 / 全50作品
ヒューマンドラマ10日常系10コメディ8

BE・LOVE

非恋愛 24作品 / 全49作品
ヒューマンドラマ12日常系8サスペンス・ミステリー6

Cocohana

非恋愛 20作品 / 全41作品
ヒューマンドラマ12コメディ8日常系6

少女・女性誌で恋愛以外に目立つジャンルはファンタジーコメディヒューマンドラマの3つです。特に花とゆめ・LaLaではファンタジー要素を含む作品が多く、女性誌ではヒューマンドラマや日常系の作品が一定の枠を確保しています。恋愛以外で投稿を検討する場合、これらのジャンルは各誌で実績があり、編集部に受け入れられやすいジャンルと言えます。

4. 恋愛 vs 非恋愛の12ヶ月壁突破率

恋愛作品と非恋愛作品、どちらが12ヶ月の壁を超えやすいのか。各誌ごとの突破率を比較します。

12ヶ月壁突破率:恋愛 vs 非恋愛(誌別)
雑誌恋愛 突破率非恋愛 突破率
りぼん48.6%(17/35)37.5%(6/16)+11.1
ちゃお5.9%(2/34)22.9%(11/48)-17.0
花とゆめ21.9%(7/32)10.7%(3/28)+11.2
LaLa41.7%(10/24)45.5%(5/11)-3.8
Kiss65.5%(19/29)38.1%(8/21)+27.4
BE・LOVE48%(12/25)41.7%(10/24)+6.3
Cocohana85.7%(18/21)75%(15/20)+10.7
7誌合計42.5%34.5%+8.0

7誌合計では、恋愛作品の12ヶ月壁突破率は42.5%、非恋愛作品は34.5%です。恋愛作品のほうがやや生存率が高い傾向にありますが、これは少女・女性誌の主力ジャンルとして編集部が手厚くサポートしている可能性を示唆しています。

ただし雑誌ごとに傾向は異なります。恋愛が圧倒的に有利な雑誌もあれば、非恋愛のほうが生き残りやすい雑誌もあり、「少女・女性誌全体」の平均値だけでは判断できません。投稿先の雑誌ごとにデータを確認することを推奨します。

5. 投稿・持ち込みを検討する作家への示唆

  • 恋愛以外にもチャンスはある:7誌合計で非恋愛作品は168作品45.7%)を占める。ファンタジー・コメディ・ヒューマンドラマは少女・女性誌でも実績のあるジャンル。
  • 雑誌ごとに恋愛比率は大きく異なるりぼん68.6%)とちゃお41.5%)では27.1ポイント差。自分の作風に合った雑誌を選ぶことが重要。
  • 少女誌と女性誌では求められるものが違う:少女誌は恋愛比率54.8%と高く、女性誌は53.6%。描きたいテーマが恋愛以外なら、女性誌のほうが受け入れられやすい可能性がある。
  • 非恋愛作品の生存率は恋愛より低いが、投稿の価値はある:12ヶ月壁突破率は非恋愛で34.5%。恋愛(42.5%)より低いものの、編集部が求める非恋愛作品には手厚いサポートが期待できる。
  • 各雑誌の詳細プロフィールを確認しよう:本レポートは7誌の全体像を示すものです。具体的な投稿先を決める際は、各雑誌の詳細ページでジャンル分布・生存率・新人賞情報を確認してください。

データの集計方法と注意点

  • • 本レポートのデータは、当サイトが公開情報から独自に収集・整備した連載データをビルド時に集計しています。
  • • 対象期間:2021年1月〜2026年(動的)。
  • • 対象雑誌:りぼん・ちゃお・花とゆめ・LaLa・Kiss・BE・LOVE・ココハナの7誌。
  • • 恋愛ジャンルの判定:作品のジャンルタグに「恋愛」または「ラブコメ」を含むものを恋愛作品として分類しています。ジャンルタグの付与は当サイト独自の基準によります。
  • • 「12ヶ月の壁を超えた」の判定:終了済みの作品は連載期間が12ヶ月超のもの、連載中の作品は開始から現時点までの経過が12ヶ月以上のもの。
  • • 本稿は個別作品の品質を評価するものではなく、全体傾向を数字で可視化することを目的としています。
  • • データの誤りや内容に関するご指摘はお問い合わせよりお寄せください。

この記事で取り上げた雑誌への応募情報

少女・女性7誌に投稿を検討するなら、各誌の新人賞・月例賞をここから。データで見えた雑誌カラーの次は、実際の応募要項で確認しましょう。